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2018-06

「黄金」の会津 - 2012.11.05 Mon

紅葉は山の方は終わりつつあり、里の方へだいぶ降りてきています。
あと数週間すれば、また長い雪の季節。
しかしその前に私が密かに「黄金週間」と呼んでいる、大好きなイチョウの黄葉シーズンがきます。

会津にはイチョウの巨木が多く、それぞれ微妙に黄葉する時期がずれているので、結構長く楽しめたりします。

昨年私が訪ねた会津のイチョウの名木を13本ご紹介します。
今年は多少ずれるかもしれませんが(※今年の紅葉などの進み具合を見る限り、今年はイチョウが色づくのも昨年より相当遅れるかもしれません)、参考までに昨年の日付を写真と一緒に載せておきますので、よかったらそれを目安に、「黄金の会津」を堪能しに来てみませんか?


1.赤井のイチョウ(撮影日2011.11.8)
       所在地:福島県会津若松市湊町赤井字赤井
       推定樹齢600年以上。
       会津若松市指定天然記念物
       福島県緑の文化財第325号
弘和年間(1381~1384年)、黒川城(のちの鶴ヶ城)城主芦名直盛の弟、田中六郎左エ門という人がいたそうですが、この人素行が悪く、悪いことばかりしていたため、この地に閉居を命ぜられ、その後は田を耕しつつ暮らしたのだそうです。
この赤井の大イチョウはその田中六郎左エ門の家の庭木だったと伝えられています。
でも今は集落のはずれ、周囲に何もない耕地に一本だけ存在感たっぷりにたたずんでいます。
「孤高のたたずまい」は美瑛の丘の「ケンとメリーの木」以上に素晴らしく、いつまでもボーっと眺めていたい場所です。
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赤井のイチョウ1
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赤井のイチョウ2


2.如来堂のイチョウ(撮影日:2011.11.9)
       所在地:会津若松市神指町中四合(こうざしまちなかしごう)
会津若松市の西、田んぼの中にひっそりとたたずむ如来堂。
境内に一本のイチョウの木があります。
1868年8月21日、有名な母成峠の戦いで会津軍は西軍に敗れ、若松へ敗走。
近藤勇なき後、新撰組を率いていた土方歳三は、旧幕府艦隊の榎本武揚と合流する為に会津を去りました。
しかし。
新撰組三番隊組長で、沖田総司、永倉新八とともに新撰組最強の剣士と言われた斉藤一は、
「今、落城せんとするのを見て、志を捨て去る、誠義にあらず」
と、(この言葉、かっこよすぎますよね(笑))会津に残り、闘い続けました。
その斉藤一ら十数名が本陣にしていたのがこの如来堂なのですが、1868年9月4日西軍の急襲を受け壊滅した、という新選組殉難の地なのです。
現在は、イチョウの木の他は碑石とお堂が残るのみ。
まさに「つわものどもが夢のあと」をしみじみ感じられる場所です。
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如来堂のイチョウ1
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如来堂のイチョウ2


3.小谷のイチョウ(撮影日:2011.11.16)
       所在地:会津若松市大戸町小谷川端
       会津若松市自然景観指定緑地第12号
       福島県緑の文化財第331号
会津若松の南、小谷(おや)という集落内に、ずっしりと存在感たっぷりのイチョウがあります。
樹齢500年以上、樹下に伏見稲荷の小祠が祀られています。
実はこの樹は初瀬川さんという方の個人所有の樹だったりします。
初瀬川家は、かつて小谷村(現在の大戸町小谷)で村方役人の肝煎を勤めた家柄でした。今もこのイチョウのそばに大きな屋敷があり、私は二度ほど中に入れてもらったことがありますが、阿賀川に面している庭の一角に、樹齢200年以上の大きな枝垂桜があって、それはそれは見事です。(この枝垂桜については今後「会津の桜シリーズ」を書くことあればそのときご紹介したいと思います)
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小谷のイチョウ1
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小谷のイチョウ2



4.大正寺のイチョウ
(撮影日:2011.11.17)
      所在地:耶麻郡北塩原村北山字寺ノ前
      北塩原村指定天然記念物
      福島県緑の文化財第359号
喜多方から国道459号を北塩原に入ったすぐのところに、大正寺というお寺があります。
弘仁年間(810~823)、空海が北山漆薬師堂の守護として草創したとされ、その境内にはそのとき植えられたと伝わる大イチョウがあります。
その伝承どおりだと、樹齢1100年以上。長床のイチョウより古いことになります。
この大正寺と奥の院(北山漆薬師堂)には今でも会津の人々が信じる習わしがあります。
1604年、ときの会津藩主、蒲生秀行(蒲生氏郷の子)の長男亀千代丸 (後の蒲生忠郷) は生まれながら病弱でありました。北山漆薬師の霊験あらたかなことを耳にした蒲生秀行は、早速北山漆大正寺に亀千代丸と奥方 (徳川家康の三女、振姫) を向かわせました。
亀千代丸と振姫は七日間護摩をたき、ひたすら奥の院にお詣りし病気が治るように祈願しました。 
すると亀千代丸は元気になったそうです。 
このとき亀千代丸はちょうど二歳であったため、それ以来現在も会津の人々は子供が二歳になると北山漆薬師に詣で大石に我子の腹をあてて、無病息災を祈ります。
いわゆる「二つ児詣り」です。
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大正寺のイチョウ1
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大正寺のイチョウ2



5.志津のイチョウ
(撮影日:2011.11.7)
       所在地:耶麻郡猪苗代町三郷字志津南
       福島県緑の文化財第344号
このイチョウがある志津文殊堂は猪苗代三十三観音の番外「外3番」になってます。
会津には有名な会津三十三観音をはじめ、この猪苗代三十三観音や御蔵入三十三観音など様々な三十三観音がありますが、他の三十三観音には子安観音を本尊としているところはまったくないのに、猪苗代三十三観音の中にはこの文殊堂をはじめ番外のも入れるとなんと13ヶ所もあるのでした。
子安観音とは安産や幼児の成長を守護するという観世音菩薩ですが、同時に隠れキリシタンが礼拝した聖母像でもあります。
猪苗代は会津ではもっとも切支丹活動の活発な所だった言われており、それと関係があると考えるのが自然ですよね。
そう思いながらこのイチョウを眺めていると、また違った趣きがあります。

「賤の身も心にかけて一すじに 祈る誠は後の世のため」 
                                       外三番 志津文殊堂 御詠歌 
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志津のイチョウ1
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志津のイチョウ2



6.都沢のイチョウ
(撮影日:2011.11.7)
       所在地:耶麻郡猪苗代町関都字都沢
       猪苗代町指定天然記念物
       福島県緑の文化財第350号
志津のイチョウの南、同じ猪苗代町の二本松街道沿い都沢集落にこの大イチョウはあります。
猪苗代町は会津でも特にイチョウの木が多いような気がしますが、このイチョウはその中でも最大で、樹齢720年以上と言われています。(樹齢はイチョウのある地蔵堂の創建時にこのイチョウが植えられたと想定しての推定です。)
地蔵堂のご本尊は、等身大の木造六体地蔵尊(六道地蔵尊)。この六地蔵も志津のイチョウの子安観音と同様、切支丹地蔵だという方もいました。
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都沢のイチョウ1
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都沢のイチョウ2



7.百目貫のイチョウ
(撮影日:2011.11.7)
       所在地:耶麻郡猪苗代町磐里字百目貫
       猪苗代町指定天然記念物
       福島県緑の文化財第349号
磐梯山をのぞむJR猪苗代駅近くにある猪苗代三十三観音の第二十番札所、地蔵堂。
その境内にあるのが「百目貫(「どうめき」と読みます)のイチョウ」です。
故事によれば、かつてはこの現存の地蔵堂を含む東光寺という大きな寺院がここにあったそうで、このイチョウはその境内にあったことが記されています。
一説に、その昔摂津の国、河原田泉というところから東光寺の観音像を背負ってきた人が、道中使っていた杖を挿しておいたらそれが根付いてこのイチョウになった、とのことで、別名「逆さ公孫樹」とも呼ばれています。
その伝承に基づいてか、樹齢は1000年とのことですが、現実にはそこまでの巨木ではないように見えます。
でもこういう言い伝えはほんと興味深いですね。        
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百目貫のイチョウ



8.浄福寺のイチョウ
(撮影日:2011.11.4)
       所在地:河沼郡会津坂下町開津字浄福
       福島県緑の文化財第374号
会津坂下町にある浄福寺は、阿弥陀仏を本尊としていて、明応3年(1494年)専蓮社良有上人により開山されたと伝えらる古刹とのことですが、現在は公民館と消防屯所の間に立っていて、なんとなく集会所のような雰囲気。
イチョウの由来は定かではありませんが、このへんは盆地で見通しがよく、結構遠くからでも目立つ巨木です。
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浄福寺のイチョウ



9.慈眼寺のイチョウ
(撮影日:2011.11.8)
       所在地:耶麻郡西会津町群岡字北岐甲
西会津町、下野尻の慈眼寺という寺の境内に、大きなイチョウがあります。
「慈眼寺」というと、私はついつい新潟・小千谷にある戊辰戦争時の、長岡藩家老河合継之助と西軍土佐藩士岩村精一郎の有名な「小千谷談判」が行われた寺を思い浮かべてしまうのですが(苦笑)、どうも小千谷とは関係ないようで、慶安年間(1648~1651)、鉄額が若松の成願寺の末寺として中興し、後に、京都の妙心寺の末寺となって現在に至ってるようです。
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慈眼寺のイチョウ



10.法用寺のイチョウ
(撮影日:2011.11.10)
       所在地:大沼郡会津美里町大字雀林字三番山下
       福島県緑の文化財第389号
会津美里町(旧会津高田町)にある法用寺は、会津の寺の中でも私が一番好きな寺のひとつです。
会津三十三観音第29番札所。
養老4年(702年)徳道上人が建てたと伝えられていて、会津では立木観音のある恵隆寺(養老3年創建)に次いで二番目に古いお寺です。
ここは重要文化財の宝庫で、観音堂の堂内には記年銘が明らかな会津最古の厨子、そして平安時代中期のものとされる金剛力士立像が安置されていて(両方とも国指定重要文化財)、境内には県指定重文の美しい三重塔、そしてこれもいつか「会津の桜シリーズ」を書く際にご紹介したい、会津五桜のひとつ、虎ノ尾桜(県指定天然記念物)があります。
イチョウは推定樹齢300年、虎ノ尾桜と対になったように立っています。

 「巡り来て 西を遥かに眺むれば 雨露繁き 古方の沼」
                                       第29番 法用寺 御詠歌
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法用寺のイチョウ1
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法用寺のイチョウ2



11.藤巻神社の乳イチョウ
(撮影日:2011.11.16)
       所在地:大沼郡会津美里町氷玉字古屋敷
       会津美里町指定天然記念物
       福島県緑の文化財第391号        
下野街道沿い、会津若松の南、福永集落にある藤巻神社の境内に大きな「乳イチョウ」があります。
万治元年(1658年)に、農民である山口勝右ェ門が寄付を募り、神社を建てたと伝えられていて、このイチョウは樹齢から考えるとそのころに植えられたものと考えられます。
「乳イチョウ」の名が示すとおり、樹幹から乳房状の乳枝が垂れ下がり、(イチョウの巨樹には多くみられる現象です)これを削り取って煎用すれば乳の出がよくなるという伝説があります。
(専門学的にいうと、ここでいう「乳」=鍾乳石状の下垂物は、潜状性の不定芽、または短枝を中心として貯蔵栄養分の蓄積によって形成されます)
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藤巻神社の乳イチョウ



12.金川戸隠神社のイチョウ
(撮影日:2011.11.16)
       所在地:喜多方市塩川町金橋字金川
       旧塩川町指定天然記念物
       福島県緑の文化財第361号
旧塩川町(現喜多方市)金川に戸隠神社はあります。「戸隠神社」なので、日本神話で天照大神が隠れた岩戸を手で開けたとされる怪力の「手力雄命(たぢからおのみこと)」が祭られています。
ちょっと不思議なのは、この大イチョウは社殿のギリギリ横に生えており(ほぼくっついた状態)、境内入口から見ると、まるで屋根を覆い隠して守ってるような雰囲気があります。
樹齢600年以上、地上に露出した根が縦横に這っており、長い年月生き抜いてきたオーラを放っていますね。
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金川戸隠神社のイチョウ



13.新宮熊野神社のイチョウ
(撮影日:2011.11.16)
       所在地:喜多方市慶徳町新宮熊野
       喜多方市天然記念物
       福島県緑の文化財第7号
国指定重要文化財の長床(ながとこ)のある新宮熊野神社は、社伝によれば源頼義、義家親子が「前九年の役」天喜3年(1055)陸奥征討に赴いたとき、武運を祈って紀州熊野から熊野堂村(現在の河沼郡河東町)に勧請鎮座したのが始まりで、後に「後三年の役」で再びこの地を訪れた義家が、新宮の地に移すよう命じ、寛治3年(1089)完成といわれています。
御神木の大イチョウはその頃植えられたものと考えられ、そうだとすると樹齢920年以上ということになります。
落雷で主幹がやられるまでは、会津若松からもこの木が見えたとか。
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拝殿の反対側から、柱を額縁に見立て、こんな感じで御神木を眺めるのが私は好きです。

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毎年、黄葉の時期はライトアップの演出があります。
今年は11月15日(木)~11月20日(火)。
時間は17:30~19:30の2時間です。
詳しくは→こちらをクリック
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実は私が知っている会津のイチョウの巨木は30以上あるのですが、今回は厳選して13本紹介しました。
イチョウはよく大火事になって建物が焼け落ちても生き残るくらい生命力が強く、昨年の震災以来、へこみそうになりがちなとき、私はとくに「かくありたい」と思いながら巡り続けてます。

そして会津には巨木とともに由緒ある寺院や神社が多くあります。
先人たちの信仰の篤さと文化を育む豊かな心。
いつまでも後世に語り継いでいけるよう、原発ごときに絶対に屈したくないと私は強く思います。

紅葉の大滝の回の記事の反響が思いのほか大きくて、多くの方が訪れてくださったとのこと、ほんとうにありがたく思います。
今回のブログを読んで一人でも多くの方が「黄金の会津」を味わいに来てくださることを祈りつつ。。。


「銀杏の葉」

これは はるばると東洋から
わたしの庭に移された木の葉です
この葉には 賢者の心をよろこばせる
ふかい意味がふくまれています

これは もともと一枚の葉が
裂かれて二枚になったのでしょうか
それとも 二枚の葉が相手を見つけて
一枚になったのでしょうか

こうした問いに答えられる
ほんとうの意味がどうやらわかってきました
わたしの歌を読んであなたはお気づきになりませんか
わたしも一枚でありながら あなたとむすばれた二枚の葉であることが

                      ヨハン ウォルフガング フォン ゲーテ


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